外壁塗装の塗料について説明します。

1.塗料の種類

 塗料の種類は、アクリル塗料からウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料があり、それぞれ耐候年数も異なり5年くらいの塗料から 25年以上の高耐候性塗料まで様々です。
 各種塗料は1液型と2液型(硬化剤を混入するタイプ)があり、一般的には、耐候性は1液型に比べ2液型の方が2~3年耐候性が延びると言われています。また、水性タイプと溶剤タイプに分けることもでき、水性タイプは清水を希釈する塗料、溶剤タイプは塗料用シンナーを希釈する塗料となっています。他にも、断熱塗料や遮熱塗料、弾性塗料やデザイン塗装など面白い性能の塗料や施工方法があります。
 ひと昔前は10年に一度の塗替えと言われていましたが、現在の塗料は、日進月歩の時代であり15年に一度の塗替えの時代になりました。塗料を選ぶときはそのようなことも考えて計画的に行うのがベストな塗料選びになります。

私たちは「リフォームサミット」に加盟しています。

サンキョウ塗装は、大手塗料メーカー(関西ペイント)のバックアップを受ける「リフォームサミット」の認定施工店です。そのため、リフォームサミット店でしか取り扱うことができない豊富なバリエーションの塗料から、お客様に最適なグレードの塗料をお選び頂くことができます。

2.下塗り塗料

 下塗り材は外壁や屋根の劣化具合により様々な下塗り塗料があります。築10年での塗り替えと築20年での塗り替えでは下地の状況が変わりますので、それぞれ適した下塗り塗料を選択していきます。種類もシーラー・プライマー・フィラー・防水タイプなどあります。下塗り塗料の選択を誤ると塗膜のフクレ・塗膜のハガレ・色ムラなどの症状が現れてきます。塗装工事で大事な選択となります。

・サイディング壁

 サイディングの種類は窯業系と板金系があります。窯業系サイディングは国内新築の約8割に使用されている外壁材です。板金系サイディングはガルバリュウム鋼板やアルミ等が使用されている外壁材になります。施工時の注意点は繋ぎ部やサッシ周りのシーリングを完璧に行う事がまず重要であり、シーリングも外壁材の一部という認識を持つことが大切です。一般的に使用される塗料はウレタン塗料から無機塗料まで使用可能ですが、サイディング材は熱を吸収しやすいという部分から、防水塗料や弾性塗料を使用すると塗膜の膨れが発生してしますことがありますので、おすすめはしていません。弊社では下地の劣化具合に適した下塗り塗料を選定し、クラック部にコーキング材は使用せずエポキシ樹脂を注入してクラックを補修する施工方法にこだわっています。

・モルタル壁

 モルタルの外壁とは、左官屋さんがモルタルで下地を作った上に塗装する外壁の事を言います。主に、ボンタイル壁や砂状のリシン壁・セメントスタッコ等が主流です。主な下塗り塗料は、微弾性フィラー、弾性フィラーが多く使用されます。上塗り塗料はウレタンから無機塗料まで可能です。。施工時はやはりクラック処理に重点を置かなければなりません。表面に現れているクラックは氷山の一角であること…モルタルの外壁の厚みはおおよそう10ミリ位あり表面のクラックが1ミリでも発生している場合はモルタル壁の奥までクラックが発生しています。奥に行くほどクラックの幅が広がっており5ミリ以上はよくある事です。このようなモルタル壁のクラック処理は、弊社の場合、コーキング材ではクラックの中まで入らないため専用のUカットサンダーを使用してクラックの幅・深さ共約10ミリ程広げます。その後、コーキング材を充填し表面を樹脂モルタルで固める処理を行っています。

ALC

 ALCの外壁とは、軽量発泡コンクリートといい中に気泡がるのが特徴で、軽石をイメージしてして頂くと分かりやすいと思います。メリットは通常のコンクリートに比べ軽く耐久性もある外壁材になりますが、水に弱いというデメリットもあります。施工時の注意点としては、クラックや角部分の割れ・欠損部の処理などに重点を置くことが重要になります。よく使用する下塗り塗料は、サーフや微弾性フィラーなどが多く使用されています。上塗り塗料はウレタンから無機塗料まで使用できます。弊社ではクラックや欠損箇所の状況により、補修専用のALCを粉末にしたパテ材を使用しています。

・木の壁

こちらは木の壁です。都市部ではおしゃれなお家に。また地方都市ではお屋敷風のお家

 木部は、モルタル住宅に多く使用されています。使用部位は、破風板、鼻隠し板、窓枠、戸袋、面格子、玄関ドア、濡れ縁等多く使用されています。木部には木部専用の下塗り塗料を使用することにないますが、木部塗装の場合、一番重要な工程がケレン作業になります。ケレン作業とは、古い捲れている塗膜を剥がしたりする作業の事を言いますが、皮スキやペーパー、時にはサンダーも使用することもあります。この段階を疎かにすると1年以内に塗膜が剥がれてしまいます。使用する上塗り塗料は、ウレタンから無機塗料まで使用できます。弊社では、外壁塗料と同等の塗料で木部の塗装を行っています。それは、外壁塗料が15年耐候なのに木部附帯塗装の塗料が10年耐候であれば先に木部の塗膜が劣化してしまいますので出来る限り外壁の塗料と合わせるようにしています。

・トタン・ガルバニウムの壁

こちらはトタンの壁です。築50〜60年前後のお家や、最近のお家でも時々見かけますね。

 金属は現在、主にガルバリュウム鋼板が主流です。ガルバリュウム鋼板とはアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%からなっている鋼板の事を言います。亜鉛鉄板の3倍~6倍の耐久性が期待できる表面処理鋼板です。施工時は、高圧洗浄を行った後に十分にケレン・目粗し作業を行う事。目粗し作業とは被塗物の表面に微細なキズを付ける事を言います。この微細なキズを付ける事で被塗物と下塗り材の密着が向上することになります。一般的な下塗り材(プライマー)は、エポキシ系の2液型錆止め材を使用します。使用できる塗料はウレタンから無機塗料まで塗装可能です。

・コロニアル屋根

 コロニアル屋根は、化粧スレートとも呼ばれ、セメントに補強材として各種の繊維材料を混入し、平板状等に成形した屋根材の事を言います。形状は5角形、寸法は厚さ5ミリ、幅約420ミリ、長さ約910ミリが一般的になります。厚さ6ミリの高級タイプもわずかに存在しています。施工時の注意点としては、「コロニアル屋根材がいつの年代に製造されたのか」に注意しなくてはなりません。それは、コロニアル屋根材の中に含まれているアスベスト(石綿)がどれほど含有しているかということに注意する必要があるからです。2004年以前製造のコロニアル屋根材であればアスベストが含有していますので得割れにくいことになりますが、2004年以降になるとアスベスト製品が1重量%を超えての製造・販売が禁止されました。この年以降の製品は割れやすいので注意が必要になります。通常であれば下塗り塗料は、浸透型シーラーや造膜シーラを使用し下塗り材を浸透させて表面を固めます。劣化具合が著しい場合は下塗りを2回塗布したり、下塗り材をフィラータイプに変更したりすることもあります。適材適所で傷み具合にった下塗り材を選定しています。使用可能塗料はウレタンから無機塗料まで可能で、金属屋根同様に遮熱塗料もおすすめです。また、クラックの補修はコーキングを使用せずエポキシ樹脂を使用しての補修を行います。

3.仕上げ塗料

 塗料を選択する場合は、まず今回の塗替えで何年くらい持たせたいのか?を基準に選択することをおすすめ致します。10年を目安に定期的に塗り替えをしている方はリコン塗料での塗り替えをされる方が多く、また塗り替えは最後にしたい・・・塗り替えするならできるだけ長く持たせたい・・・という方はフッ素塗料や無機塗料を選択されています。夏場2階の部屋が暑いので・・・という方は屋根を遮熱塗料で塗りけられています。このように塗料は5年くらいから25年以上耐候性能を持つ塗料がありますので計画的に塗料を選択されることをおすすめ致します。また屋根塗装の場合は、日中常に紫外線や風雪雨に直接晒されているため耐候性能が約70%になると言われています。これは、10年耐候性能のある塗料であれば約7年ということになりますので、屋根塗料を選択する場合はこのようなことを考えながら選ぶことも一つの選択肢になります。

シリコン塗料

 一般的に塗り替えは10年に一度と言われるのがシリコン塗料と言われています。シリコン塗料以上になると特徴としては親水性(外壁の汚れを雨水で流してくれる効果)や、防藻・防カビ効果が期待できること。期待耐候年数は10年くらいになります。この期待耐候年数とは10年間光沢が維持しますよ…ということではなく、次の塗替えの目安になります。
最近ではラジカル制御シリコン塗料という高性能シリコン塗料が主流になってきました。ラジカル制御シリコン塗料とは通常のシリコン塗料の中に、高性能シリコンレンジ(紫外線劣化を阻止)やUVトラップ(高性能シリコンレンジをすり抜けた紫外線を「UVトラップ」で無害化)、ラジカルバリヤコート(酸化チタンへの紫外線到達を阻止し、ラジカル発生を抑制)、HALSラジカルキャッチャー(極微量すり抜けた紫外線によって発生したラジカルは、HALSラジカルキャッチャーで捕捉し全て無害化。)
などの成分が含まれた塗料の事を言います。※ラジカルとは・・・塗料の主成分のひとつ「酸化チタン」に紫外線が当たることにより発生する物質で、塗膜を破壊し劣化を促進させます。

塗料選びワンポイント!

弊社でのおすすめ塗料は、通常のラジカルシリコン塗料を改良した「汚れ」と「劣化」にこだわり、かつ「厚膜」塗装が可能な「アレス ダイナアクセル」をおすすめ致します。期待耐候年数もフッ素塗料と同等の「15年~18年」とシリコンクラスではトップクラスの耐候年数になります。塗料はどうしても「角」(エッジ)の部分が平らな面より薄くなってしまう欠点がありますが、このダイナアクセルは、角(エッジ)部分にも厚膜で塗装ができるというメリットがあります。

フッソ系塗料

 フッ素塗料の特徴としては、耐久性が高く耐用年数が長いことが特徴で15年~20年になります。

無機ハイブリッド塗料

 塗料の中では最上級クラスになるのが無機塗料になります。期待耐候年数も24年~26年と高耐久な塗料となります。無機塗料は高耐久性のメリットの反面、塗膜が固いというデメリットがありましたが最近の無機塗料は柔軟性を兼ね備えた塗料が出てきています。今までの無機塗料はシーリング上に塗装した場合、塗膜が固いため必ず割れが起こりましたが現在の無機塗料ではシーリング上に塗装しても塗膜に柔軟性があるため、割れることが無くなりました。無機塗料での塗り替えの場合はこのような柔軟性のある塗料をおすすめ致します。

遮熱塗料

 遮熱塗料の特徴としては太陽光を効率よく反射し、熱を遮り、屋根上の温度を下げることができる事が特徴です。屋根に遮熱塗料を施工した場合、室内天井より50㎝から100㎝下の温度が約5°Cの低減効果があります。また、夏場の屋根上では温度が60°C以上にもなりますが、遮熱塗装をした場合18°C~19°C屋根上の温度が低減されます。すべての屋根に遮熱塗装はおすすめしていません。板金系の屋根、スレート瓦(コロニアル瓦)屋根等にはおすすめします。用瓦やモニエル瓦は瓦自体が10ミリくらいになるので遮熱塗装を行っても効果は少なくなりますのでおすすめはしていません。

 以上が、外壁塗装の塗料の説明となります。ただし、サンキョウ塗装では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)

 ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、私たちに安心してお任せくださいね。

4.デザイン塗料

デザイン塗装と聞くと、職人の技術とデザイン性も重要ですが、塗料も大切です。デザインは塗料によって大きく左右されます。当店は塗料会社からデザイン塗装認定を受けているので、以下の塗料を使用して塗装工事が可能です。

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