屋根塗装の屋根材について

 ひとことで『屋根材』と言っても実は様々な種類の屋根があります。それは、長年の歴史の中で日本人が開発してきた物語でもあります。

それぞれに特徴がありますので、順にご説明いたしましょう。

1.セメント瓦

 セメント瓦は30年以上前に多く使用されていましたが、現在は形を変えプレス式セメント瓦が主流です。また、一見すると同じような形をしているモニエル(乾式洋瓦)というのもあります。見分け方は、セメント瓦の場合、瓦の小口部分が平になっています。一方のモニエル瓦(乾式洋瓦)の場合は小口部分がボツボツしていますのですぐに見分けが付きます。同じように見えますが施工方法は異なることに注意が必要です。プレス式セメント瓦は通常のセメント瓦と同様に下塗り材が使用できますが、モニエル瓦(乾式洋瓦)の塗替えは専用の下塗り塗料を使用しなければ塗料が密着せずすぐに剥がれたり、塗膜の膨れが出てきます。施工方法はセメント瓦同様に高圧洗浄を十分に行い、表面のスラリー層を完璧に除去していきます。次にモニエル瓦専用の下塗り塗料を塗布し上塗りを行っていきますが、モニエル瓦に対応できる国産メーカーの塗料では現在のところフッ素樹脂塗料までとなっています。弊社のこだわりの一つに高圧洗浄後、スラリー層を確認し残っている場合はワイヤーブラシ等で再度除去を行っています。

2.スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)

スレート瓦(コロニアル瓦)は、厚さ約5mm、長さ約910mm、幅約420mm、形状は5角形をしていますが表面に出ている部分は幅約150mmくらいで下からは横一列に見えます。施工時の注意点としてはアスベストが含有製品か、ノンアスベスト製品かを見極めることが重要となります。日本では2004年(平成16年)に1枚当たりの重量に対し1重量%超えての石綿含有製品の製造・販売が禁止されたのを機に、スレート瓦(コロニアル瓦)もこの年以降に製造された製品はノンアスベスト製品と呼ばれ、ひび割れやめくれ、層間剥離などの劣化症状を引き起こしています。新築から20年前後の建物の場合は塗装を行う前に事前によく調べる事も重要となります。築20年以上での塗り替えの場合では浸透型シーラーや造膜シーラーを使用してしっかりとコロニアル瓦の吸い込みを止め基材表面を固める処理を行ってから上塗り作業に入ります。使用可能な塗料は、ウレタンから無機塗料まで全て可能ですが、一部のメーカーのフッ素樹脂塗料はコロニアル瓦は塗装出来ないものもありますので注意点が必要です。

3.トタン屋根

 トタン屋根はほとんど見られなくなりましたが、築年数が古い住宅屋根ではトタン屋根(亜鉛メッキ)の屋根もまだ多くあります。トタン屋根の塗装は下塗り材が限られていることもあり、また過去に塗り替えしている場合も多いのが現状です。その場合特に多いのが塗膜の密着不良による塗膜の剥離です。基材が露出している場合も多く、その状態で塗り替えした場合は必ず他の箇所も塗膜が捲れてきますので、本来、ベストな塗り替えは既存塗膜を全て剥離してから塗装を行う事をおすすめ致します。剥離後は亜鉛メッキ鋼板に対応するエポキシ系サビ止め塗料を塗布して上塗りを行います。上塗り塗料は、トタン屋根専用塗料であればウレタンから無機塗料まで塗装が可能です。

4.ガルバリウム鋼板屋根

 ガルバリウム鋼板屋根は、トタン屋根同様にエポキシ系錆止め塗料を使用します。ガルバリウム鋼板は金蔵鋼板をアルミニウムと亜鉛、シリコンでメッキしたものなので、トタン屋根同様にエポキシ系錆止め塗料を使用します。エポキシ系以外の錆止め塗料を使用した場合は塗膜剥離が起こりやすくなりますので注意が必要です。また、下塗り材を塗布する前には十分な目粗し作業が必要不可欠になります。使用可能な塗料はトタン屋根同様にウレタンから無機塗料まで屋根専用塗料であれば可能になります。弊社ではトタン屋根やコロニアル屋根、ガルバリュウム鋼板屋根には遮熱塗料をおすすめ致します。

5.アスファルトシングル

 アスファルトシングル屋根材はコロニアル屋根比べ耐久性がありますので、10年くらいでは塗り替える必要性はありません。塗り替える場合は通常の下塗り材ではアスファルトシングル材に含まれている成分が溶け出してきてしまうため、必ずアスファルトシングル用の塗料での塗り替えが必要になります。アスファルトシングル材は表面に細かな砂状の成分が付着していますが、年数と共に砂状の成分が落ちてきます。アスファルトシングル用塗料の中にはこの砂状の成分が含まれていますので塗装後は元の砂状の表面仕上がりになり、きれいに再生できます。メーカーによっては再生工法と呼んでいるくらいですので表面の質感は一般の塗料とは比べられないくらいです。一概に屋根塗装と言ってもそれぞれ屋根材は異なりますので必ず現状に適した屋根塗料での塗装が重要となります。

6.折板屋根

 折半屋根もガルバリュウム鋼板屋根と塗装方法は同様になりますが、一つ異なるのがボルトキャップを取り付けること。折半屋根は一枚物を均等感覚で鉄骨にボルトで固定していますので屋根表面にボルトナットが露出している状態です。折半屋根本体はガルバリュウム鋼板が主流で錆びにくいですが、ボルトやナット、アングル部分は金属でできていますので錆が発生していることが殆どです。弊社では塗り替えする場合は、ボルト部分に錆転換材を2回塗布し赤錆から黒錆に転換後、2液型エポキシ系錆止めを塗布してから上塗りを行います。黒錆に転換することで錆びの発生を止めます。次に、折半屋根専用のボルト部分に取り付けるボルトキャップをコーキングを使用してボルト部に被せます。折半屋根で一番大切なボルトを雨や雪から守り、また錆の発生も止める。これが弊社の折半屋根に対するこだわりです。

 以上が、いろいろな屋根材についてでした。私たちニッポンの塗装店のように、長年塗装工事を行っていると、どうしても、次の塗替え時期になると「屋根はもうそろそろ交換したい…」という意見も出てきやすいので、屋根の交換なども行っております。

 塗装工事でメンテナンスできるのか、屋根の葺き替えをしたほうが良いのかも、無料診断をさせていただきますので、以下よりお尋ねください。


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